パラダイス 神
(C)Vienna2012 | Ulrich Seidl Film Produktion | Tatfilm | Parisienne de Production | ARTE France Cinema
ウィーンでレントゲン技師として働くアンナ・マリアは、妹テレサのようにヴァカンスに出かけるでもなく、イエスのために夏休みの日々を過ごす。讃美歌や鞭打ちの苦行、聖母マリア像を携えての布教活動、それだけで休暇を過ごすにはありあまるほど。敬虔で頑固なカトリック教徒の彼女にとって、パラダイスはイエスと供にあるのだ。
ところがある日、車椅子でエジプト人イスラム教徒の夫ナビルが2年ぶりに家に戻り、彼女の日常は狂い始める。イエスを理想の男のように慕い敬いながら、夫には無慈悲な態度をとる妻にナビルは怒りをあらわにする。アンナ・マリアのパラダイスは、宗教と結婚の両方に亀裂の入った夫婦の争いの場と化してしまう。
2012年のヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞。